土井善晴さんといえばあの優しそうな笑顔と上品な関西弁でご活躍をされている料理研究家のイメージがあります。
料理番組はもちろんですがバラエティやラジオ等でもご活躍されています。
そんな土井善晴さんの著書「一汁一菜でよいという提案」には多くの読者からの共感が寄せられています。
一汁一菜でよいという提案
土井善晴さんはこの著書で一汁一菜でよいとはいっていますが、決して粗食を進めているわけでも手抜きを推奨しているわけでもありません。
忙しい中でも無理なくこなせる基本の型としての一汁一菜であって、決して手抜きでの一汁一菜ではないという事です。
余裕があるときにはそこに食べたいものだったり、旬のものだったりを足せばよいと言っています。
一汁一菜であってもその一椀一皿を大切に思いを込めてつくる、そして時々はアクセントをつけて一汁二菜だったり三菜にしたりすればよいということです。
ハレとケ
「ハレ」というのは特別な日や非日常の日の事をいいます。
そして、「ケ」というのが日々の生活であったり、日常の日々のことです。
以前は「ケ」が日常であって、多くの日が「ケ」であったのに現代社会においては土井善晴さんはこの「ハレ」と「ケ」が逆転してしまっているといっています。
「飽食は長寿の妨げ」とよく言われます。
普段口にするものの多くが家庭料理とはかけ離れたものとなってはいませんか?
古来より日本では食物を神聖なものとして崇めていました。
お箸をおく位置にしても料理と自身との間に結界を張って一線を引いて、「いただきます」と合掌をするという日本独自の真摯な側面があります。
このようにお箸を横に置くのは世界中でも日本だけです。
洋食ではナイフやフォークは右手側に縦におきますよね。
お箸を使っている中国や韓国でも右手側に縦に置くのが一般的です。
「和食」が無形文化遺産登録の理由
2013年12月に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録をされました。
どういう理由で和食が選ばれたのでしょうか?
「和食」というとお刺身やお寿司、天ぷらや豪華な懐石料理の事だと考える方も少なくないことと思います。
ですが、今回無形文化遺産に登録されたのはそういった料理ではなく家庭料理を評価しての事だと思われます。
ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」とは、自然の尊重という日本人の精神を体現した食に関する社会的慣習であるという事が書かれています。
日本の四季折々の多様で新鮮な食材を活かすための出汁を使用した調理技術だったり、野菜や魚などの地域で採れる海の幸や山の幸などの自然の食材を用いた動物性油脂の少ない健康的な食生活の実現。そして盛り付けにしても季節感のある食器だったり料理に花や葉をあしらったりして旬にこだわって季節を楽しんだりすることや年中行事などにおいてもその時々で特別な料理を楽しんだりする日本人の心や、人生の節目の儀礼にあっても食との密接な関りがあります。
そういったことからユネスコでは日常生活に密接な家庭料理を評価したともいえるでしょう。
土井善晴さん経歴
1957年2月8日。家庭料理の第一人者土井勝氏の二男として誕生しました。
明星高等学校卒業
芦屋大学教育学部産業教育学科(現・経営教育学部経営教育学科)卒業
大学3年の時に休学してスイスの語学学校に通いながらホテルローザンヌパラスの調理場で修行。なんと無給で働いていたそうです。
そのあとはフランスへ行って、帰国後は、神戸のレストランで働きながら大学を卒業。
卒業後は、大阪の高級料亭味吉兆で日本料理の修行をしました。
1987年お父様の土井勝さんの料理学校のアシスタントをすることになるのですが、吉兆での仕事にやりがいを見出していた善晴さんには少々不本意だったようです。
1992年には独立をして「土井善晴おいしいもの研究所」を設立します。
翌1993年には父の土井勝さんが、体調を崩してしまったためレギュラー番組の「おかずのクッキング」を善晴さんが引き継いでもう30年近くにもなります。
他にもラジオだったりバラエティ番組に出演したり、食文化の教育活動や食の場のプロデュース、講座、対談に講演会とおおいそがしです。
更には料理本の出版や執筆活動など数えきれないくらい幅広い分野でご活躍をされています。
肩書も料理研究家、フードプロデューサー、甲子園大学教授、東京大学先端科学研究センター客員研究員等々たくさんの肩書も持っています。
特技がマラソンというのも意外ですね。
はじめは体力をつけるためにウオーキングを始めたそうです。このころは500m歩くだけでも足が痛くなったりしたそうです。
それが、だんだんと走り始めてなんとフルマラソンを完走してしまうようになりました。
今では100㎞も走るマラソン大会に参加したりもしているそうです。
ほんとうにすごいことだと思います。
私生活では1987年にご結婚をされて1991年にお嬢さんが生まれています。
お名前などは出てきませんが、フランスのお料理の学校をを卒業されてフランスにいらっしゃるようです。
土井善晴さんまとめ
土井義春さんの一汁一菜でよいという提案は世の主婦の方々からは日々のプレッシャーから解放されたとか肩の力が抜けたとか、料理のハードルが下がったなど多くの人から共感を得られました。
【一汁一菜でよい という提案】
一汁三菜が理想的な家庭料理と言われていたのを覆す本。超有名料理家が言うからこその説得力。
テレビやメディアによく出る方が先陣を切って提案してくれる事で「土井先生と同じだし!」と気楽にできるようになったのは革命的。揚げ卵のお味噌汁大好きです。 pic.twitter.com/6gxM7WnqGQ
— マツダミキオ もったいない料理人みっきー。 (@1ove_f00d) May 12, 2021
"味噌汁の具としてただ入れてしまえばいいわけですから、副菜2品を考えて調理するよりもぜんぜん難しくないんです。何でも味噌汁に放り込む形だったら、手の込んだものを作らなくても、手間をかけずに食事ができますよっていうのが一汁一菜" https://t.co/dPr7CgAr4D
— nazenazeboy (@nazenazeboy) May 9, 2021
あの素朴そうでほんわかした雰囲気は見ているだけでも安心感があふれていてなんとも親しみやすいビジュアルですよね。
なによりあの上品で優しい関西弁で話されると思わず笑顔を返したくなります。
より一層のご活躍願っています。